マニフェスト-ケアの社会構造の再構築

今、私たちは岐路に立たされています。新型コロナウイルスは、世界中で長く続く複数の、交差する危機を残酷なまでに露呈しました。このような危機の中心には、これまで女性が負担してきたケア労働があります。ケアは、日々の生命の再生産であり、人間と地球の生命そのものが存在し、経済が機能するための基盤です。

現在のケアの社会構造においては、ケアのニーズがどのように満たされているか、つまり無償のケア労働、有償のケア労働、公的な提供、民間の提供、コミュニティベースのケアの取り決めの相互関係は根本的にバランスが悪く不平等であり、最終的には持続不可能です。負担や重荷、必要な仕事の大部分が女性のケア労働や家事労働に重くのしかかります。

家庭や地域社会では、世界規模のケアチェーンを通じて、貧困にあえぐ女性や、グローバル・サウスの黒人や褐色の肌の女性たちが、低賃金で不安定な労働条件のもと、公共・民間のサービスを通じてケアの穴埋めをしています。階級、人種、性的指向・性自認、障害、年齢、在留資格など、さまざまな理由で複数の差別を受ける女性の場合、この不公平感は2倍、3倍にもなります。

ジェンダーと人種による国際的な役割分業が支えるこのケアの危機を終わらせなければなりません。

国は、財源の不足を言い訳に女性の権利を実現しないことが多く、破綻した国際税務、そして新自由主義経済システム全般が、人々、特にグローバル・サウスの人々から富を奪うことを容易にする一方で、引き続きグローバル・ノースの男性を中心とした少数のエリートの手に富を集中させています。

その一方で、規制緩和、民営化、財政再建(緊縮財政)、新植民地時代の債務負担は、女性と男性、グローバル・サウスとグローバル・ノース、労働者と企業の間の極端なパワー・アンバランスをさらに強めています。これにより、質の高い公的ケアサービスに資金を投じ、人間らしい高賃金のケア労働や普遍的社会保護を可能にする世界的、地域的な財源が枯渇します。

このような背景において、国際金融機関がしばしば推進する、あるいは押し付ける逆進的な国の税制は、権利を保障する公共サービスを提供する国家の責任を弱めます。

私たちは、女性の権利を損なうだけでなく、ジェンダーの不平等を悪化させる支配的なパラダイムと経済システムに終止符を打つことを要求します。私たちは、国家が公共財としてのケアを組織するための意欲、資源配分、能力を欠いている状態に終止符を打つことを要求します。そして、人権を尊重し、保護し、履行する義務を遵守しない国の多くを企業が買収する状況を拒否し、これに異議を唱えます。私たちは、主に女性が担う家庭の「私的」な責任ではなく、公共財として、また集団的な社会的責任として、国がケアを提供することを要求します。この道は、女性を壊すように、人類や地球を壊すことにつながります。今すぐにでも終わらせなければなりません。

私たちは、次の目的のもと、力を合わせてケアの社会構造を再構築するための世界的な運動をつくり出すことを求めます。

  • ケア労働(有償も無償も)の社会的・経済的価値とケアを享受する人権を認識する。

  • 同一価値労働同一賃金、適正な年金、尊厳ある労働条件、包括的な社会的保護をもって、ケア労働に報い、報酬を与える。

  • 女性の無償ケア労働の負担を軽減する。

  • 性別役割分業を排除して、世帯内、すべての労働者間、また世帯と国家の間で、ケア労働を再分配する。

  • · ケアサービスの公共性を取り戻すと共に、公共のケアサービスを提供し、ジェンダー関係と女性の生活を変容させるケアシステムを策定する国家の義務と責務を回復する。これには、公正で累進的な課税を通じて国家に資金提供の力を与え、国民国家に国際的な平等課税権を確保することも含まれる。

#MakeCarePublic (ケアを公的に)
#MakeTaxesWorkForWomen (女性にとって良い税制を)

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