加盟組合においては、メンバーが新型コロナウイルスの世界的な感染拡大において、絶え間なく重要な公共サービスを提供してきました。その一方で私たちは、世界貿易機関(WTO)のTRIPS(知的財産権の貿易関連の側面に関する協定)で製薬会社に与えられた独占権により、企業が多大な利益を上げることができるようになることを懸念しています。労働者と市民は、この危機を確実に克服するために、たゆまぬ努力と犠牲を払い、時には非常に困難な状況で従事してきました。

この免除が実施されなければ、製薬会社は他のメーカーによる新型コロナウイルスのワクチンおよび医薬品の生産と、生産規模の拡大を阻害できるようになります。WTOのルールは、大手製薬会社が市場を独占し、政府にさえ価格を指示できることを保証しており、そこには健全な回復に必要な公的資金が費やされることになります。

新型コロナウイルスの免除は、世界保健機関、国連人権専門家、UNITAID、UNAIDSによって支持されています。こうした提案に関するPSIの声明は、PSIのウェブサイトをご覧ください

医療従事者やその他公共サービス労働者や政府がこの提案を支持すると期待していると、政府に認識してもらうために、加盟組合の皆様には自国政府への働きかけにご協力いただきたいと思います。実施には、年末までにWTOの総会で承認を得ることが必要になります。この提案を審議し、WTO総会に送って承認を求める機関は、TRIPS理事会となります。

TRIPS理事会の会合は12月10日に開催され、上記事項の審議が予定されています。つきましては、新型コロナウイルス免除案支持を求める要望書を12月7日までに至急政府に提出してください。要望書見本はこちらでダウンロードしてご利用いただけます。

要望書のコピーは忘れずにPSIまでお送りください: health@world-psi.org

PSIアジア太平洋地域は、この問題に関するオンライン説明会を12月2日(水)午前11時(バンコク時間)に開催します(必要に応じて通訳を提供)。登録はこちらをクリックしてください。

皆様のご連絡をお待ちしております。

政府がWTO条項の免除に同意すれば

新型コロナウイルスワクチンへのユニバーサルアクセスが可能に

国際公務労連の声明

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大において、重要な公共サービスを提供してきた労働者は世界貿易機関(WTO)加盟国に対し、「新型コロナウイルス感染予防、封じ込め、治療のために、TRIPS協定の特定条項を放棄すること」を求めるインド、南アフリカ、ケニア、エスワティニ、パキスタン、モザンビークの提案を支持することを求めている。

製薬会社の利益を守るために導入された知的財産権ルールは、世界の公衆衛生を脅かすものであり、特に発展途上国では経済回復が不可能になる。

パンデミックにより、世界中の労働者が並々ならぬ犠牲を強いられてきた。適切なPPEを着用しないことも多く、長時間働き、ほとんど休みがないなど、医療従事者が危険な状況で従事する国もある。何千人もの医療従事者が犠牲となった。何億人もの労働者が職と生計を失った。誰もが努力と犠牲を払って危機を乗り越えてきた中で、製薬会社が独占権を強行してパンデミックから利益を得ることは許されるべきでない。

世界的な回復のためには、すべての国がウイルスの治療と拡散防止に必要な情報、研究、医薬品すべてにアクセスできることが必要である。利益や「ワクチンナショナリズム」のために重要な情報を秘密にすれば、何百万人もの人が不必要に感染することになる。

医療従事者、科学者、公共部門の研究者、患者は、情報共有が公衆衛生に寄与すると信じながら、ウイルスについて収集した情報を日頃から共有してきた。製薬会社が利用する情報の多くは、公共部門の研究、公衆衛生機関、公共技術、公共部門の労働者から得られたものである。新型コロナウイルスワクチンや治療の多くは、政府の資金によって賄われている。TRIPS協定(知的財産権の貿易関連側面)に基づくルールは、大手製薬会社が公的資金で実現したイノベーションを民営化できるようにすることを各国に義務づけている。

知的財産権ルールによって、製薬会社は他のメーカーによる新型コロナウイルスのワクチンおよび医薬品の生産を阻み、生産規模の拡大を阻害できるようになる。こうしたルールは、大手製薬会社が市場を独占し、政府にさえ価格を指示できることを保証しており、そこには健全な回復に必要な公的資金が費やされることになる。

公衆衛生に関するドーハ宣言は、WTO加盟国の公衆衛生ニーズに対応するためにTRIPS協定に盛り込まれた柔軟性を再確認するものであった。しかし、国内法にTRIPSの柔軟性を盛り込んだ加盟国がある一方で、盛り込んでいない加盟国も多い。さらに、富裕国が、TRIPSの柔軟性の活用に反対する政治的圧力を途上国にかける状況も多くみられる。

世界的な公衆衛生に尽力する政府はすべて、新型コロナウイルス関連の免除を求める提案を支持し、後発開発途上国に対するTRIPS義務免除を恒久的なものとすることで、連帯へのコミットメントを示すべきである。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がもたらす未曾有の課題を克服するためには、すべての国と社会全体の貢献が必要である。

国際公務労連は、医療従事者、高齢者介護従事者、水、衛生、エネルギー事業労働者、緊急サービス労働者、地方自治体および政府のサービスや行政に携わる労働者など、3000万人以上の労働者を代表している。PSIは加盟組合との協力のもと、医療従事者やその他の公共サービス労働者がこれらの提案を自国政府が支持するはずだと期待していること国家政府に認識してもらうよう今後も取り組んでいく。